会員同士が出会えないよう仕組んだ虚偽の「出会い系サイト」に延べ百四十万人の会員を集め、メール送受信料をだまし取ったとされる詐欺事件で、逮捕されたサイト運営会社「LINX」の元会長星憲之容疑者(33)らが「mixi(ミクシィ)」など信頼性のある会員制交流サイト(SNS)のサイト運営者に成り済ます「フィッシング」と呼ばれる手口で会員パスワードとメールアドレスを盗んでいたことが、警視庁への取材で分かった。
同庁ハイテク犯罪対策総合センターによると、星容疑者らは、例えばmixi会員のパスワードを狙う場合は「動画サービスの新しいカタチ“ミクシア”を試験運営しています」とmixiの新サービス案内のようなメールを送信していた。
発信元は「mixia@mixia.com」。メールは「mixiに登録されているメールアドレス、パスワードでご利用いただけますのでお試しを」と勧誘してパスワードなどの入力画面に導き、そこで入力、返信させて盗んでいた。
パスワードなどを盗むと、それを使ってSNSの会員サイトに入り、会員登録の変更サイトで新たなパスワードに変更。それを「サクラ」が使い、会員に成り済ましてSNSに潜入していた。
こうしたフィッシングに遭ったSNS会員は二十六人が確認済みで、容疑者の供述から実際には二百人を超えるとみられる。
サクラは、恋愛感情を抱かせるようなメールを出す一方、SNSによっては規約で異性との出会いを目的とした利用を禁じているため「交信内容が削除されるかもしれない。もっと個人的にチャットやメールをしよう」などと会員をSNSの外に誘い出していた。
事件の舞台になった出会い系サイトは実体は三つだったが、レイアウトを変えることで十二あるように見せかけていた。この大半のサイトで、メールを送信すると一回四百八十円、受信すると三百八十円がかかる仕組みだった。
サクラは四十〜五十人いたが、八割方が男性で、主に女性を装って男性を誘い、実際に会う寸前まで会話を進めては「体調が悪い」「仕事が入った」などとじらして送受信料を稼いでいたという。
(ニュースソース:東京新聞)